RoHS・REACHの違いと最新SVHC対応

製造業において、環境規制への対応は年々重要性を増しています。
特に欧州向け製品では、RoHS指令 と REACH規則 の理解が必須であり、これらに違反すると以下のような重大なリスクが発生します。
- 輸出停止
- 製品回収(リコール)
- 罰金・行政処分
- 顧客からの取引停止
- ブランド価値の毀損
しかし現場では、次のような混乱が多く見られます。
・RoHSとREACHの違いが曖昧
・SVHCリストの更新に追いつけない
・材料メーカーの証明書の読み方が分からない
・部品ごとの含有量をどう管理すべきか
・顧客からの「最新SVHC対応書類」の要求に対応できない
本記事では、RoHSとREACHの違い、SVHC対応のポイントを、製造業の実務に完全最適化した形で体系的に解説します。
1. RoHSとは(電気・電子機器の有害物質規制)

1-1. RoHSの目的
RoHS(Restriction of Hazardous Substances)は、電気・電子機器に含まれる有害物質の使用を制限する規制です。
- 人の健康保護
- 廃電気電子機器の環境負荷低減
1-2. 規制対象物質(10物質)
RoHSで規制される物質は以下の10種類です。
- 鉛(Pb)
- 水銀(Hg)
- カドミウム(Cd)
- 六価クロム(Cr⁶⁺)
- PBB
- PBDE
- DEHP
- BBP
- DBP
- DIBP
特に 鉛・カドミウム・六価クロム は、金属部品・表面処理で問題になりやすい物質です。
1-3. RoHSの特徴
- “含有禁止”の規制
- 電気・電子機器が対象
- 許容濃度を超えると販売不可
- 証明書(RoHS適合宣言)が必要
2. REACHとは(化学物質の登録・評価・制限)

2-1. REACHの目的
REACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)は、
化学物質の登録・評価・制限による人と環境の保護を目的としたEU規則です。
2-2. SVHC(高懸念物質)とは
REACHの中でも特に重要なのが SVHC(Substances of Very High Concern) です。
- 約240物質(半年ごとに更新)
- 0.1wt%以上含有で申告義務
- 製品単位で判断する(部品単位ではない)
2-3. REACHの特徴
- “含有情報の開示”が目的
- 全製品が対象
- 半年ごとにリスト更新
- SVHC含有量の管理が必須
3. RoHSとREACHの違い(実務で迷わない整理)
RoHSとREACHは混同されやすいですが、目的も対象も異なります。
| 比較項目 | RoHS | REACH |
|---|---|---|
| 規制の目的 | 使用禁止 | 情報開示 |
| 対象製品 | 電気・電子機器のみ | すべての製品 |
| 規制物質 | 10物質(固定) | SVHC(半年ごとに更新) |
| 違反時のリスク | 販売不可・リコール | 情報開示義務違反・罰金 |
4. 最新SVHC対応の実務ポイント
SVHC対応は、製造業にとって最も負荷の高い業務のひとつです。
ここでは、実務で必ず押さえるべきポイントを整理します。
SVHCは半年ごとに更新されます。
- 最新リストを必ず確認
- 材料メーカーの証明書も更新が必要
- 古い証明書は無効になる可能性
SVHCは 製品単位で0.1wt%以上 含有すると申告義務が発生します。
- 製品全体:1kg
- SVHC:1g以上 → 申告義務あり
SVHC対応には、サプライヤー管理が重要です。
- 最新SVHC対応証明書
- ロット番号の記載
- 材質証明(MTR)
- RoHS適合宣言
- 発行日(古いと無効)
- 対応SVHCリストのバージョン
- 材料ロットとの紐付け
- メーカー名・署名の有無
- 材料ロットごとの証明書が必要
- 表面処理(Ni-P、DLC)も対象
- 接着剤・塗料・Oリングも対象
5. RoHS・REACH対応の社内運用(実務で使える)

- 使用材料を一覧化
- 材質・メーカー・ロットを管理
- OneDrive / SharePointで管理
- ロット番号で検索可能にする
- 最新SVHCの共有
- 証明書の提出ルールを統一
- RoHS適合宣言
- REACH(SVHC)不含有証明
- 材質証明(MTR)
まとめ
- RoHS:電気・電子機器の有害物質“使用禁止”
- REACH:全製品の化学物質“情報開示”
- SVHC:半年ごとに更新、0.1wt%以上で申告義務
- 証明書は最新バージョンで管理することが重要
- 材料・表面処理・接着剤・Oリングも対象
RoHS・REACH対応は、輸出企業・半導体・医療・精密機器メーカーにとって必須の業務です。
RoHS・REACH・SVHCの最新対応、証明書の取得、サプライヤー管理までサポート可能です。
お気軽にご相談ください。
